炭水化物とは~三大栄養素の話

炭水化物って、大きく分けて4種類に分類できるのです。大分類は以下の通りです。
①単糖類  ②少糖類  ③多糖類  ④その他

①単糖類

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これは1個の「糖」から構成されています。水によく解けますし、甘みのある、炭水化物を構成している最小単位の物質でもあります。

ぶどう糖

グルコースとも言われ、でんぷんを構成する主成分です。自然界に幅広く分布し、甘みのある果物に多く含まれています。

果糖

フラクトースとも言われ、糖類の中ではもっとも甘みが強く、砂糖の主成分でもある糖です。 果糖は体内で脂肪に変りやすいので、摂取量に注意しておかなければない糖です。

ガラクトース

いわゆる乳糖のことです。牛乳などに多く存在しています。

②少糖類

2~10個の糖から構成されているもので、特に2糖類が重要といわれています。

麦芽糖

マルトースとも言われ、ぶどう糖からなる2糖類です。大麦を発芽させた麦芽で、水あめの主成分でもあります。 もちろん、名前の通り、ビールつくりに使われていることは言うまでもありません。

しょ糖

スクロースとも言われ、ぶどう糖と果糖からなる2糖類です。サトウキビの茎に多く存在し、一般的には砂糖としてよく知られています。

乳糖

ラクトースとも言われ、ぶどう糖とガラクトースからなる2糖類です。哺乳動物の乳 (もちろん人間の母乳にも)存在し、整腸作用があります。

③多糖類

名前の通り、多数の糖から出来ています。ぶどう糖のみから構成されている物質を単純多糖類といい、でんぷんなどがあります。 また、2種類以上の多糖類からなる物質を複合多糖類といい、マンナンなどがあります。

ぶどう糖のみで構成されているもの

エネルギー源になるものとして、でんぷんやグリコーゲンがあります。 でんぷんは穀類やイモ類の主成分となっています。 また、グリコーゲンは肝臓や筋肉に貯蔵されており、動物のエネルギー源となる物質です。 また、セルロースのように、ぶどう糖のみで構成されていますが、エネルギー源にならない糖もあります。 これは、植物の細胞を構成し、適度の摂取は腸管を刺激して通便を整える働きを持っています。

その他の糖で構成されるもの

その他の糖で構成されるものについてはエネルギー源として使用されません。 多くは、多数のガラクトースなどで構成されるものです。 主なものに、マンナン(こんにゃく芋・海藻・ゾウゲヤシの実などに多く含まれる、食物繊維の一つ)や、果実に多く含まれるペクチンなどがあります。

④その他の糖

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パラチノース

しょ糖から作られた人工的なぶどう糖と果糖が1個ずつ結合したもの。上品な甘みを持つが、常用しても虫歯になりにくいという特性を持っています。

キシリトール

ガムに使われて一躍有名になりました。樹木から取れるキシラン・ヘミセルロースを原料とした甘味料で、 多くの野菜や果物に含まれています。カロリーも砂糖に比べて低く、口内細菌による発酵の影響を受けないため、 これも、パラチノース同様、常用しても虫歯になりにくいという特性を持っています。

炭水化物の特性

人類の食料としての比重が大きく、現在の日本でも、一日の総摂取エネルギーの60%程度は、この炭水化物から摂取しています。 この重要なエネルギー源である炭水化物ですが、体内でエネルギーを出すためにはビタミンB1が必要であり、これらは、同時に摂取することで非常に効率が良くなります。

エネルギー源にすぐに利用されない炭水化物は、グリコーゲンとして合成され、肝臓や筋肉に貯蔵されたり、脂肪となって皮下脂肪になったりします。 そのため、過剰摂取は肥満の原因ともなります。

しかし、グリコーゲンや脂肪は、空腹時のエネルギー源として重要です。 また、エネルギー源として炭水化物を取っていれば、たんぱく質の分解によるエネルギー生成は必要なくなるので、たんぱく質の余分な消耗が防げます。