睡眠障害克服のために
記事が前後してしまうのですが、一昨日の新聞や、ネット上のニュースでも、睡眠による経済的損失ということで、大体的に発表されていました。ご覧になられた方も多いと思います。
内容をちょっと振り返って見ますと、「不眠症や寝不足による経済的損失は年間約3兆4,690億円」というものです。じゃあ、具体的に何が損失なのかといいますと、例えば、眠気による作業効率の低下や、交通事故の危険性などです。また、欠勤や遅刻、早退の頻度も高まり、平均賃金や、平均損害額なども考慮し、試算したということです。
まあ、金額が大きいし、こういう試算はあくまで概算値であり、根拠の検証性に乏しいところがあると割り切って、「そんあにあるんだ」くらいでいいと思います。
割り切ってと書いたので、ちょっと余談になるのですが、こういう概算の場合、割り算で考えるとイメージがつきやすいですね。
3兆5,000億円÷1億2,500万人(日本の人口ですね)=28,000円。
年間に一人3万円くらい睡眠不足で損をしている感じですね。
さらに割ると、28,000円÷365日=77円。一日約80円ですね。
そう考えると、寝ている時間を少し削って、仕事をすればすぐに元は取れますね。
いやいや、これだと書きにくくなるので、睡眠をしっかりとって、損をなくしましょうよという前提で本題に入ります(笑)。
“睡眠障害”について、前回もチラッと触れたのですが、不眠症について以下のようなものがあります。
「入眠障害」→床についても眠れない。
「中途覚醒(かくせい)」→夜中に目が覚めてしまう。
「早朝覚醒」→早く目が覚めてしまう。
「熟眠障害」→眠りが浅くなる。
不眠症と書きましたが、「不眠症=睡眠障害」ではないです。不眠症はあくまで睡眠障害のなかの一つです。では、ほかにどんなものが含まれているかといいますと、「過眠」「概日リズム睡眠障害」「夜驚症」「悪夢」「夢遊病」などになります。
って、これを書いて、悪夢って睡眠障害に含まれているんだと、初めて知ったわけですが、アメリカでは、睡眠障害は、精神疾患に含まれているので、そう聞くと少し納得できますよね。
日本では5人に1人が悩んでいるといわれる不眠症、寝付けないとか、夜中に目が覚めて眠れないとか、ぐっすり寝た感じがしないなどの異変が週に3回以上あって、1ヶ月以上続くようですと、不眠症とはいえ、悩んだり、社会的活動にも支障をきたしたりすることがあります。また、睡眠障害を持つ人はそのほかの体の部分にも、何かしら疾患を持つ割合が高いというデータもあります。風邪と同じで、侮ってはいけない症状です。
また、睡眠時間が短いと、肥満になりやすいということが言われています。これは、インスリンの分泌に関係するのですが、睡眠が少なかったり、徹夜明けだったりするとインスリンの効果が弱まり、血糖値が高くなることで糖尿病を招きやすくなるのです。
このように、睡眠不足は糖尿病など生活習慣病と深いかかわりを持つだけでなく、うつ病などの精神疾患にも関係してきますし、判断力を低下させるため、問題があると分かったときは早めに解決するように動かなければならないものなのです(医師の診察を受けるなど)。
睡眠不足はいろいろな障害を引き起こしますが、克服のために一番大事なことは、
「睡眠時間は人それぞれなので、日中眠くなければ時間にこだわらない」
「規則正しい生活をし、特に3食と運動習慣が大事である」
のこの二点が大事になってきます。さらに詳しく知りたい方は、厚生労働省の下記サイトをご覧ください。 → http://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/03/s0331-3a.html