精進料理で生活習慣病予防
修行僧の食事として知られる精進料理ですが、意外にも栄養バランスに優れ、動脈硬化など生活習慣病を予防するパワーを秘めていることが分かっています。 精進料理は12世紀ごろ禅宗と共に中国から伝わったとされています。精進料理の体験会での女性の感想にも、「たくさん食べたかと思っても、胃にもたれない。消化が良くて、すぐにお腹が軽くなる」など健康的なイメージをそのまま感じさせるものとなっています。
精進料理の極意は旬の野菜をバランスよく、多くの種類を使うことにあります。ただし、一般家庭料理に取り入れる際には、精進料理が完全食でないということを理解した上で食事をしなければなりません。育ち盛りの子供さんがいらっしゃるご家庭では、必要な動物性のたんぱく質が足りないようです。
そのため、精進料理をベースとして、年齢に合わせて食材を工夫してみることがおすすめとして挙げられています。精進料理の原則である、「五味五色五法」を活かした料理になります。下記のようなものです。
五味とは「甘い」「辛い」「苦い」「酸っぱい」「塩からい」の味付けのこと。
五食とは「赤」「白」「黄色」「緑」「黒色」の食材を指す。
五法とは「生のまま」「焼く」「煮る」「揚げる」「蒸す」の調理法のことです。
この原則を守るのはかなり大変ですが、毎日組み合わせを変えていけばかなりバリエーションのある食事を毎日摂取できることになります。精進料理に関して、「食事は心の修行」などと仰る方もいます。普段の生活でも、献立に気を配ると共に、飲み過ぎや食べ過ぎを戒めることが、間違いなく健康への近道となるのです。
日常的に運動をしているから健康だ!と思っていても、実は片手落ちだったりします。そのことを精進料理はは気付かせてくれます。誰しも、一つのことに集中してしまうと、もう一方のことが抜け落ちたりします。食事って自分の体の大事な構成要素ですからね。
毎日のことなので、ついつい面倒になり、インスタント食品が多くなったりしますが、続けていると必ず体のどこかに異常をきたしてくるはずです。あなたも気をつけましょう。
今回一番覚えていなければならないことは、バランスが取れているかどうかということです。何につけても、日々の生活でちょっと偏りすぎているなとか、のめり込んでいるなって思ったときは見直すようにしましょう。そのまま走るにせよ、方向転換するにせよ、いったん立ち止まることで進む方向を再確認できます。
健康は栄養・運動・休養が三大要素です。どれか一つ欠けてもいずれ弊害は出てきます。食事に関しては今回の精進料理の考え方は参考になります。